海外移住の前にやるべき重要なことの一つとして、お住いの市町村区役所にて「国外転出届（海外転出届）」の提出と、「在外選挙人証」取得の手続きがあります。
国外転出届を出さないと、その地に住んでいないのに、住民税が引かれていきます。
また、国民健康保険は、一般的に海外では適用されませんが、毎月1万円以上ものお金が引かれ続けることになります。
国民健康保険には、海外に短期渡航した際の海外療養費支給制度がありますが、１年以上の長期滞在の場合は「国外転出届（海外転出届）」を出し、現地の保険に加入することをお勧めします。
転居先の保険と二重払いになることを防ぐためにも、海外移住前に忘れずに手続きを行いましょう。
「在外選挙人証」の取得をしないと、国政選挙の度に日本に帰らなければ投票することができなくなります。多くの人が、渡航費や時間の面から、帰国し投票することを諦めてしまう傾向がありますが、手続きさえすれば、海外からでも国政選挙に投票することができます。
「国外転出届（海外転出届）」の出し方
海外転出届の提出については法的に細かな規定がされていません。このため役所によって対応が異なりますので、ご自身のお住いの地域で再度確認をお願いいたします。
私の地区の例
申請に必要なもの
・転出届（市町村区役所にてもらってください）
出国まで14日を切ったら、お住まいの市町村区役所に行きます。
用意されている用紙に必要事項を記入し、その用紙とマイナンバーカードを見せ終わりました。
いくつかの確認事項を質問され、簡単に終わりました。
マイナンバーカードは出国日をもって返納という形になります。
海外に転出の際は国民保険の加入は抹消されます。しかし、出国日前日まで使用可能です。
海外転出届を出すと、国民年金の強制加入義務がなくなりますが、任意加入することができます。尚、任意加入しない場合には、その旨の届け出が必要です。つまり、何もしなければ加入したままです。
「在外選挙人証」の出し方
「在外選挙人証」の案内
海外転出の作業が終わると、いくつかの書類を受け取ります。
その一つに「在外選挙人証」の案内があります。
これまでは、在外公館での申請に限られていたそうですが、市町村の窓口でもできるようになったとのことです。
日本での手続き【在外選挙人証】
申請に必要なものは、本人確認書類（旅券、マイナンバーカード、運転免許証など）の1点です。
選挙管理委員会の窓口に行き、「在外選挙人証」の手続きをしたい、もしくは、もらった案内を見せてこの手続きをしたいと言えば、理解してくれます。
申請書類を渡され、個人の基本情報を記入します。
なお、本籍地の記入を求められますのでご注意ください。本籍地が分からない場合は、また違う窓口に行き、手数料を支払い、住民票を取得し確認しなくてはなりません。
移住先での手続き【在外選挙人証】
その後、海外に移住後、在留届を提出します。
移住先の市町村区役所にて、在留届を取得し、最寄りの在外公館やインターネットで提出します。
下記URLが「外務省オンライン在留届」のリンク先です。
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
この提出をすることで、国外の住所が確認され名簿に登録されます。
在外選挙人名簿への登録が完了されると「在外選挙人証」が発行されます。
在外公館から連絡があり、最寄りの在外公館で、または郵送で「在外選挙人証」を受け取ることができます。
「在外選挙人証」をもって投票する
外国の在外公館または、郵送、一時帰国している場合は国内からの投票が可能です。
在外公館からの投票の場合は
「在外選挙人証」と身分証明書（旅券など）の2点が必要です。
郵送の投票の場合は
投票用紙請求書に「在外選挙人証」を同封して登録地の市区町村選挙管理委員会あてに送付します。送付費用は自己負担とのことです。
投票用紙請求書を外務省のホームページがらダウンロードし、必要事項を記入します。
下記リンクにて「投票用紙請求書」をダウンロードできます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/pdfs/shinsei07.pdf
一時帰国をしている場合は、国内でも投票できます。
国内からの投票の場合も、忘れずに「在外選挙人証」を持参しましょう。
注意点として、投票は国政選挙のみ可能となっています。つまり、地方選挙などは投票できません。
最後に一言
実は、私がこの記事で一番伝えたかったことは、海外からでも投票できるっていうことです。私自身、移動が激しく、住民票の地域に住んでいないことが多く、投票を逃していました。日本は選挙の投票率が低く、世界の投票率ランキングでは140位～150位前後を記録しています。私たち国民の代表を選び、民意を示すのが選挙です。例え今、海外にいても、日本に戻ってくる時のことを考え、日本の国籍を持つ者として投票に行きましょう。
最後に一つ、私にとって印象深い言葉をここに残します。
ある台湾人の一言
「日本人はいいよね、
たとえ政治に参加しなくても、日本は日本だから、台湾は、国民がそれとちゃんと向き合わないと、
台湾が台湾でなくなってしまうんだよ」
